2017年5月3日水曜日

最近のお仕事:『アクセル・ワールド VS ソードアート・オンライン 千年の黄昏』マニュアル

『アクセル・ワールド VS ソードアート・オンライン 千年の黄昏』(バンダイナムコエンターテインメント)のオンライン・マニュアル(PS4版・VITA版)を担当しました。

クロスセーブの機能を使うと、PS4とVITAでゲームの進行度合いを同期させることができるのがうれしいです。


最近のお仕事:『三國志13 マニアックス』

『三國志13 マニアックス』(コーエーテクモゲームス)を編集・執筆しました。
『パワーアップキット』の内容にも対応した版です。

最近のお仕事:『Winning Post8 2017』マニュアル

『Winning Post8 2017』(コーエーテクモゲームス)のマニュアル(全機種)を担当しました。

個人的には、1982年開始のモードで、史実の活躍馬をセリで落札していくのが好きです。


2017年1月7日土曜日

「このマンガがすごい! 2016」

(選考対象は2014年10月1日~2015年9月30日に単行本が発売された作品)

過去の無料頒布ペーパー(C91)

過去に無料で頒布したペーパーその11
【2016年 冬コミ(C91)】

まもなく放映開始となるNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では柴咲コウが主役を演じるということで、それに対する猛烈な不安期待を寄せた内容。
「オイラどろろってんだ(ドンドン)」リターンズ。
で、どうすれば柴咲コウ直虎を楽しむことができるのか、という問いに対する提案。
あと、夏のペーパーではどうせトランプ負けるんだろうと書いたところ、ドナルド・トランプがアメリカ大統領選挙に勝利したので、『ゴルゴ13』に出てきたロナルド・クランプについて触れました。

過去の無料頒布ペーパー(C90)

過去に無料で頒布したペーパーその10
【2016年 夏コミ(C90)】

かつて『内閣総理大臣 織田信長』を描いた志野靖史が、小説家になって『信長の肖像』という作品を書き、朝日時代小説大賞を受賞したことについて。
『内閣総理大臣 織田信長』には、米国のクリリントン大統領が出てきて、その妻は「ヒラリン」。
ちょうどこの夏コミの時期は、アメリカ大統領選の中間選挙が終わり、民主党はヒラリー・クリントン、共和党はドナルド・トランプが大統領候補に選出されていた。
そのあたりがタイムリーだったので、「ヒラリン」を紹介。
まだこの時期は、ヒラリーが次期大統領だろうというのが大方の予想だった。

2016年12月31日土曜日

個人的2016マンガベスト10

さっそく2016年の個人的マンガランキング・ベスト10を発表します。
レギュレーション的なものは前記事をご参照ください。
2016年1月1日~12月31日の期間に、単行本が発売された作品が対象です。


10位:『喝 風太郎!!』5巻 本宮ひろ志
喝 風太郎!! 5 (ヤングジャンプコミックス)
マンガとしてのピークは1巻。坊主が板切れ一枚で隕石を回避させ、地球滅亡の危機を救うスゴさにやられてしまったが、その後は作者もどう物語を展開するのがいいか迷っている様子がアリアリと見えて、「あ、(作者が)飽きたな」と「いつもの本宮節」と思っていたら、前巻までに歴代の本宮マンガの主人公が続々と出てくる「スーパー本宮ひろ志大戦」に。
この5巻では明らかに作者自身が練りきれていない「光の組織と闇の組織」が出てきて、どう収拾をつけるのかと思って見守っていたら、神様が出てきた。そして火山の噴火を説得で止め、渋谷のスクランブル交差点から空を歩いていく。まるで生前の三沢光晴が川田利明を相手に放ったタイガー・スープレックスのような、豪快な投げっぱなしである。本宮ひろ志がここまでファンタジー色の強い内容に寄るのは……まあ、『天地を喰らう』とか『夢幻の如く』とかほかにもあるけれど、現代をテーマにした作品では珍しい。

9位:『コオリオニ』上下巻 梶本レイカ
コオリオニ(上) (BABYコミックス)
90年代の北海道警の違法捜査が題材。今年6月には同じ事件を題材にした映画『日本で一番悪い奴ら』も公開された。
『コオリオニ』は潜入捜査の刑事とヤクザのBLものになっている。BLに関しては自分はアンテナが立ってないので、「ジャンル物として担うべき役割」での達成度がどの程度なのか、判断しかねる。そのため単純に「物語る力」の才能だけでの評価。BLを見る目があれば、もっと上の順位にしたかもしれない。そのため自分がちゃんとこの作家の作品を評価できるのは、「ゴーゴーバンチ」(新潮社)で連載を開始した『悪魔を憐れむ歌』から、ということになる。

8位:『傘寿まり子』1巻 おざわゆき
傘寿まり子(1) (BE・LOVEコミックス)
マンガのすごさとは、一言で言えば「多様性」に尽きると思う。世界を救う冒険活劇があれば、ファミレスでダベるだけのコメディがあったっていい。いろいろな職業や業界が舞台になることもあれば、未来や過去を題材にしたっていい。やはり「なんでもOK」こそがマンガの最大の魅力だと思う。
そこへいくと『傘寿まり子』は、主人公・まり子は80歳の女性作家で曾孫持ちだ。第1話では、まり子の友人が家族と同居していながら孤独死してしまう。「そんな1話があるか!」とツッコみたくなるくらいセンセーショナルな冒頭だ。そしてまり子は家を出て、ネカフェを体験し……。これを女性誌の『BE・LOVE』でやるのだからすごい。
これ、主人公が10代とか20代だったら、ゼロ年代初頭に大流行した紋切り型の「自分探し」に堕するのに、主人公が傘寿の高齢者だから、まったく別の位相が生まれる。こういう内容をノンフィクションではなく、フィクションとして描くことに意義がある。

7位:『アダムとイブ』1巻 原作:山本英夫、作画:池上遼一
アダムとイブ 1 (ビッグコミックス)
透明人間と「匂い」で対峙するところに面白みがある。透明人間と匂い。紙面には載らないものを、どう表現するか。ネーム力と画力が試されるような意欲作。池上遼一の画力があればこそ、の作品である。
しかし池上遼一の画力は、ポートレート的な一枚絵としての美しさであり、マンガ的な動きを表現する動的な重心移動の絵ではない。それゆえ絵がリアルなのに、どこかシュールで、ギャグっぽくなることもあり、それをパロディ的に応用したギャグマンガが『魁!!クロマティ高校』(野中英次)だった。本作は作者の当人がそれについて自覚的であるフシが随所に散見するところも面白い。

6位:『昭和元禄落語心中』10巻 雲田はるこ
昭和元禄落語心中(10)特装版<完> (プレミアムKC BE LOVE)
落語家が落語を演じるシーンを描く、ということに深く感動した。落語を題材にした従来のマンガ作品は、高座のシーンになると、登場人物が江戸時代の町人姿にコスプレした「再現ドラマ」を展開することが多かったが、本作は高座の上での落語家の所作を丁寧に描く。その演出方法から、師匠と弟子の関係性を読み取ることができるし、また「受け継がれる物語」というテーマ性が織り込まれている。このように技法とテーマを同期させているので、物語が多層的になり、各コマがより味わい深いものになっている。

5位:『レイリ』1巻 原作:岩明均、作画:室井大資
レイリ 1 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)
舞台は戦国時代。家族を武士に殺された少女が、復讐を誓い、剣の腕を磨く。死にたがりの少女のほの暗い情緒的な描写の1巻、環境が変わって一気に視界が開けていくさまが手に取るようにわかる2巻。1、2巻同時発売は正解。
ふとした所作や表情から感情の推移が読み取れる、その演出力は卓越している。言葉で説明する以上のものを絵と演出で表現している

4位:『なぎさにて』2巻 新井秀樹
なぎさにて 2 (ビッグコミックス)
新井秀樹の描く終末世界。ネビル・シュートの小説(および映画)『渚にて』は、核戦争後で北半球が滅亡した後の世界が舞台となる。オーストラリアでは平穏な日常を過ごしていたが、放射能の汚染は徐々に南半球に迫ってきて、滅亡までの猶予をどのように過ごすのか、人々は選択を迫られることに。
本作『なぎさにて』では、2011年に南アフリカのケープタウンをはじめとして世界各地に不思議な巨木が生え始める。木の種がはじけると、その下の生物は絶滅してしまうので、人類は否が応にも終末を意識しながら生きることになる。家族や社会のあいだに温存されていた欺瞞が表出していくさまに、新井秀樹作品らしさを感じる。3.11直後の感情を、まざまざと思い起こさせる

3位:『弟の夫』3巻 田亀源五郎
弟の夫 : 3 (アクションコミックス)
昨年はLGBTに関して世界的に容認していく動きが広まっていた(アメリカで同性婚は合憲と判断、日本でも渋谷区や世田谷区で同性パートナーシップ認定など)が、今年はその反動か、アンチ・ポリコレが大きな動きに。いまあらためてLGBTの問題を見直すべきタイミングだが、政治的イシューとして“勉強”するのは、非当事者にとってはなかなか大変なこと。
本作はフィクションとして、説明臭いところがなく、物語を楽しみながらLGBTに関する問題をステップバイステップで考えていける秀作。1、2巻が「入門編」とすれば、いよいよ3巻は「中級編」といった感じ。圧倒的にネームが少なく、絵と演出だけで見せるのに、なぜこれだけ感情を動かされるのか。この手練れ感はすごい。ほのぼのとした語り口の下に、「世界を変えよう」という情熱がある。

2位:『戦国自衛隊』3巻 原作:半村良、作画:森秀樹
戦国自衛隊 3 (SPコミックス)
かつて千葉真一がやたら脱いでいた角川映画版『戦国自衛隊』は原作小説に忠実なストーリーで、川中島の戦い直前あたりの長尾家に自衛隊がタイムスリップする物語だった。やがて武田家を制して上洛した伊庭三尉は、その世界に信長が存在せず、かわりに自分たちが本能寺で討たれて「歴史通り」になるエンディングを迎えるのだが、本作は「自衛隊が戦国時代にタイムスリップ」という基本設定以外はすべてオリジナル。
まず『七人の侍』風に農村を救うために行動するのだが、そこで恐竜のラプトルが登場。この3巻では、1巻以来、行方知れずになっていた恐竜ラプトルが、武士道に目覚めていく
歴史劇画の保守本流・森秀樹にとっては、400年前の戦国時代も、800万年前の恐竜も同じ歴史モノという括りなのかと驚愕。自衛隊の不戦の思想を、信長が墨家思想と絡めた解釈をしたり、『敦盛』を妙に改変したり、見どころはたくさん。あらためてマンガは自由だと思わされた。

1位:『キン肉マン』57巻 ゆでたまご
キン肉マン 57 (ジャンプコミックス)
現在「週刊プレイボーイ web comic」で連載中の新シリーズの『キン肉マン』が1位。
従来の『キン肉マン』では、正義超人、悪魔超人、完璧超人という三属性は、現実のプロレス世界における「団体対抗戦」を成り立たせるためのギミックとして機能していた。そのため、バッファローマンやネプチューンマンがヒール(悪役)から“ベビーターン”するのもあり得た。
しかし、完璧超人始祖のザ・マン(超人閻魔)が完璧超人の領袖、ゴールドマン(悪魔将軍)が悪魔超人の祖、シルバーマンが正義超人とキン肉族の祖であることが判明し、三属性とは単なるカテゴライズではなく、イデオロギーであることが明確になった。
これにより、“ベビーターン”や“ヒールターン”は気軽には済まなくなり、いままで信じていたイデオロギーを変えることを意味するようになった。それは強要できるものではなく、受容しようにも多大な苦痛が伴うので、当然のように激しい抵抗が生じる。試合を通じて「棄教」と「改宗」のステップを経なければ、“ベビーターン”や“ヒールターン”が成り立たないリアリティレベルに突入してしまったのである。であればこそ、本シリーズにおける試合は、これまで以上に激しくなっているのだ。
『キン肉マン』は、ファーストシーズンの直後の続編世界を描いていながら、いまや完全に「少年マンガ」の延長線上にはいない。
多くの続編マンガが、かつてのファンに対する「オヤジ接待」に留まっているのに対し(もちろんそれはそれで面白いし需要もあるのだが)、この『キン肉マン』完璧・無量大数編以降は、その「オヤジ接待」的な要素を前半部で満たしておきながら、マンガ本編自体をネクスト・ステージに押し上げている点が特筆に値する。もちろん、中井先生のグレードアップしまくった画力があればこそ、このリアリティレベルを支えているのは間違いない。